Ron's Backlog

奔放不覊

新しい可能性に向かって

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最近、ブログが書きにくい…というか、仕事が忙しすぎて、プライベートでパソコンを開く事が少ない。ネットはスマホで充分だし、いろんな人の動向はブログでなく、twitterFacebookで把握できてしまう。当然、パブリックな部分だけだし、その中でも一部の事に限る事も分かっているが、友人・知人の動向は、その程度で充分かもしれない。必要ならメールなりを送れば済む事だ。
最近は、プロジェクトが軌道に乗りすぎてしまい、ただただ忙殺されている。良い事ではあるのだけど、自分の時間も少し欲しいなぁ…とも思う。ただ、会社内はもちろんの事、お客さんの所にも、いろんな課題があって、それを解決する方法は…と考えてみると、やりたい事が次々と浮かんでくる。自分の処理能力が高ければ、もっと効率的にたくさんの事をこなせるのだろうけど…。
本書「ローマ法王に米を食べさせた男」は、役所の職員ながら、米をブランド化し、過疎集落を活性化させた方のお話。このお話に会ったのは、去年の冬で、福岡から羽田に向かう飛行機の中だった。この方の15分ほどの特集番組がやっており、飛行機の中で少しウルウルしてしまった事を覚えている。
  
**1.はじめに
本書は、僧侶でありながら役所の臨時職員として働いていた著者が、行った様々な取り組みを綴っている。公共事業を生業としているので、役所の体質を分かっている(つもり)でいたが、最近は役所よりも私がつとめている会社のような民間企業の方が役所化(手続きが面倒、余計な事はしない等、一般的に言われている与えられた事以外は何もしない体質)しているように感じる。著者のような方が、役所の中で評価されるかどうか?は別として、過疎地を改善した役所の取り組みは仕事の参考にもなるだろうと思い、本書を読み始めた。
  
**2.著者が行った事
本書は、著者が行った事を語り調で記されている。その取り組みは、大きく下記の4点がある。
 ①「限界集落」に若者を呼ぶ
 ②「神子原米」のブランド化戦略
 ③UFOで町おこし
 ④「腐らない米」。自然栽培でTPPに勝つ!

これらの取り組みは、役所主導で行われたというよりも、少ない限られた予算内で、マスコミや住民を煽動しながら改善していった事である。私自身は③の部分を週刊誌を読んだ記憶があるのだけど、それ以外は知らない事だった。仕事柄、様々な地方都市に伺う事があり、様々な土地に行けば行くほど、東京が異常な街に思えてくる。単純に主だった都市に人が集中し、仕事が生まれ、また仕事を求めて人が集中する…という悪循環が続いており、その極端な街が東京であると思う。東京で仕事をしているのに、お客さんは地方都市などというのはその典型であり、奇形である。そんな事をなるべく止めて、地産地消では無いけども、もっと幅広く人が分散して住めると良いなぁ…と感じている。誰だって、自分が育った街・家が無くなってしまえば寂しいと思うし。
  
**3.自分に置き換えてみる
著者が行っている事や考え方を自分に置き換えてみる。自分がやれているのか?考え方で足りない点は無いか?他の発想・方法は無いのか?そんな事を時間を決めて考えてみる。現在は上下水道事業の事業運営に係るコンサルティングと、それを支援するツールの開発を行っているが、それだけで足りているのか?と自問自答を繰り返す。単純に妄想の世界ではあるが、様々な方法を箇条書きにしては見直す事をしている。その中で実現できそうなものを取り出し、どう進めていくかを考える。
どの方向に進み、どのようなステップを踏むのか、どこでチェックを入れ、エラーが発生した場合のリカバリー方法を踏まえて考える。その後に、どこに仮想敵が居て衝突する部分を設定するか考え、根回しの順番を想定していく。なんだか偉そうな事を書いているけど、結局は妄想の世界での話。ここまでは、時間さえ気にしなければ誰にでも出来る。
著者がやっている事は、それを考えつつ、必ず1歩踏み出す事。「まずやってみよう」というスタイルである。多分に、この1歩踏み出すのが一番難しい。好き勝手な発言をする自分でさえ難しいところである。1歩が無いと前に進めない、でも1歩を踏み出す時に落とし穴が無いか心配になってしまう…その葛藤である。ただ、最近感じるのは失敗したら謝れば良いのかな?という事。職を失う訳ではないし、生活費を取られる訳でもない…なら、1歩を踏み出すか鬱々とするよりも、はじめの1歩を大きく踏み出してしまえば良い。それも出来るだけ大きく…。そうすれば、隣近所に居る人は引きずられて踏み出してしまうはずなのである。
本書を読んで、自分も少し守りに入ってきているなぁ…と少し反省した。1歩踏み出すのに考える時間が長くなってきているように感じた。
  
**4.最後に
お勧めはするが、人によって感じ方が変わると思う。著者の職歴が特殊である事もあるし、運が味方をしているようにも読み取れる。ただ、運を引き寄せるのも1歩ずつでも前に踏み出しているからなのだと自分は考える。官僚や役人をダメ出しする人が多いが、おそらく民間企業の中と同じくらい(もしくは少し低いくらい)の割合で頑張っている人・先を見据えている人がいる。自民党がダメだから民主党にし、民主党もダメだから維新の会のように鞍替えするよりも、自分が出来る事を少しずつやっていった方が日本は変わると思う。原発反対するのなら電力会社でなく、関連する企業に対しても行えば良いし、自分が勤めている企業であれば、その組合を動かすのも手だと思う(私は原発反対ではないので、そういう事はしないけど…)。
話が逸れてしまったが、様々なヒント(発想のヒント)がある本であった。