Ron's Backlog

奔放不覊

人に任せられるのか…

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最近の悩みと言うか、自分の欠点である。
要するに、他人に任せる事(説明したり段取りする事)が苦手なので、自分のバックログが溜まって行く。それによる結果は、後輩が育たない事であり、仕事の楽しみや苦しみを経験させていない…という事である。リーダーとしては失格…というよりも、日本企業に籍を置いている身分*1では、今後の日本の経済を憂う*2上でも…。という訳で、何かの広告を見た瞬間にAmazonでポチッとしてみた。
  
**1.はじめに
本書は、リクルートでバリバリと働いていた(と思われる)著者が、自分の経験則に基づいてリーダーシップの取り方、マネージャとしての在り方を綴っている。
仕事ができるスーパーサラリーマンになるか?、お願い上手で人生を楽しむサラリーマンになるか?、といった両極端な話から本書は始まる。個人的には、仕事とお金は寂しがり屋であると考えているので、自然と集まるべきところに集まって行くのだと思っている。当初は個人に集まるが、その中でどれだけ意思疎通が図れ、効率的に業務を熟して行けるチームを形成できるか…そのために、マネージャ(リーダー)として何をすべきか…という観点で本書を読んでみた。
  
**2.「自分でやった方が早い病」とは
「あぁ、これなら自分でやった方が早いな…」と信じてしまう心の病。
【症状のパターン】
 ・”まわりよりも自分が出来てしまう”から、自分でやった方が早い
 ・”相手に悪いし、お願いが下手”だから、自分でやった方が早い
【原因】
 両パターンに共通する事だが、他人を信用しないタイプに多く、自意識過剰であると思われる。
  
**3.自身の反省
自分に置き換えて考えてみると、人に任せられない原因と反省点は以下にあると考える。
+自分が受けたら嫌だな…という仕事を頼み辛い…
+-人を信用していない証拠であり、人より自分が出来るという驕りにすぎない…
+頼まれた仕事を断れない…
+-全て自分で抱え込む事によって、自己満足をしている点がどこかにある…
+自身も暗中模索な部分が多いので、段取りが出来ず、人に頼み辛い
+-自分の仕事をキチンと整理していない事であり、ただの怠慢…

**4.結局、どうすれば良いか…
本書では、対策として以下の5つが書かれている。
+「作業」だけでなく「責任」もセットで任せよ
+「失敗」させることを必要以上に恐れるな
+「自分のコピー」をつくろうとするな
+「インフォーマル」で権限を与えてしまえ
+「計画」と「検証」は一緒にやり、「実行」は一人でやらせろ

自身の経験則に照らし合わせると、自由に考えさせて任せてしまえば、思った以上に仕事はできるのである。「チームの人間から嫌われたくないから、嫌な仕事はさせたくない」と思うが、父親から言わせれば「ただの甘えであり、若者に迎合しているだけだ」との事。若い人間は、それぞれの経験・知識を組み合わせて、与えられた目標に対して最適な方法を模索するし、その目標を達成しようと努力をする。昨今は不景気である事から、その時間を与え辛い部分もあるが、失敗するであろう点をある程度想定して、チェックタスクを入れれば、思った以上に失敗は少ないし、想定以上にスムーズに進む事が多い。各々の人とたくさんの会話をし、個人の能力を伸ばすと思う部分を任せて行く、そして大きな仕事であれば、個々人の能力を組み合わせるようにお願いして任せれば良いのである。そうする事で、自分がやったよりも良いプロダクトが出来上がる*3し、よりスピーディーに事が進むのである。
  
**5.最後に
結局のところ、それで仕事が減るか…と言われると減る訳ではない。ただ、次の展開を探す時間が多く取れるので、より自分が行う幅を拡げて行く事になるだけだ。それが良いかどうかは、個々人の判断になると思うが、少なくとも会社の仕事だけでなく、自分を成長させる上でも、みんなに任せて行く事は良い事なのだと思う。
個人的な意見ではあるが、40歳にもなれば経験則での判断が大半を占めてくる。このため、新しいアイデア・方法論は出にくい状態になっているので、どんどん若い人たちに任せ、自分を否定するアイデア・方法論を見て愉しむと共に、様々な失敗を笑いながらフォローする…そんな器の人になりたいと思う。

*1:年齢相応にゼネラリスト且つマネージメントが求められる一般的な日本企業に飼われている立場

*2:老後の年金を確保していく…と言い換える事も出来る

*3:人が多い方がアイデアも多く生まれるし、より良いアイデアが出てくる確率も高くなるのは当然である