Ron's Backlog

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世界でもっとも強力な9のアルゴリズム

世界でもっとも強力な9のアルゴリズム


  
インターネットが公共インフラに近い形となってきている。大規模災害にも強く、行政が広報や意見収集としても使用している。オンラインショッピングも日常的だし、日常の生活行動も記録し公開している。そんなインターネットのコンテンツだけでなく、日々の生活を取り巻くコンピュータの中核をなす仕組みを分かりやすく説明した本であった。
  
**1.はじめに
本書は、専門書に近い本なのかもしれないが、例を使って説明しているので、専門知識が無くてもコアとなっている技術が分かると思う。私は90年代前半に情報数理学をかじったので、比較的読みやすく感じたのだけど、もしかすると難しい内容なのかも…。
  
**2.本書の構成
本書の構成は以下のようになっている。
+第1章:イントロダクション
+第2章:検索エンジンのインデクシング
+第3章:ページランク
+第4章:公開鍵暗号
+第5章:誤り訂正符号
+第6章:パターン認識
+第7章:データ圧縮
+第8章:データベース
+第9章:デジタル署名
+第10章:決定不能性とはなにか
+第11章:まとめ
  
**3.おすすめのポイント
コンピュータ、特にインターネットに関連する技術が選択されていると思われる。この中でも普遍性が高い技術がデータベースとネットワーク(特にTCP/IP)。また、検索技術やランキングの仕組みだけでなく、信頼性を含めた内容である。それぞれの技術に対する歴史的な流れを含めて書かれているので、ネタ的にも面白いと思う。
  
**4.最後に
うーん。正直なところ、良書だけど、この手のほんの中で最良である…というポイントは判断できない。本来であれば、特化している箇所があって、〜の部分だけでも読む価値がある…という点があるのだけど、本書だけは全体的に中の上となっており特化している部分をチョイスしにくいと感じた。このため、長期的に読む本ではなく、期間を決め短期間(3日程度)でじっくりと読む事をお勧めする。