夜行観覧車

夜行観覧車

夜行観覧車

移動の合間に読了。「告白」の作者である湊かなえ氏の新刊。
舞台は高級住宅街の3軒で、各々の家族の視点から物語が進む。内容は、ある家族の母親が父親を殺してしまい、その残された子供たちが立ち直るために協力しあうと言うもの。ただ、登場する3軒とも問題を抱えており、その問題がとても身近で何処の過程にも起こりうることである。僕の家庭にも起こるかもしれない…。
家族の絆などと綺麗事を言う気はないが、問題となる行動を起こす背景には様々な理由があり、それは詰まらないキッカケによって起きてしまう。問題と向かい合ったときは、深呼吸して冷静に考える…と言われるが、突発的な感情を抑えるのは、とても難しいことである。
何が正しいか、何が間違っているか、の論議ではなく、なぜ起きてしまったのか、再発しないためにはどうすればいいのか、その事を深く考えさせられる物語であった。
客観的に綴られて行く物語の中に、とても大きな問題提起がされていると思う1冊である。