Ron's Backlog

奔放不覊

コミュニケーションの難しさ

  
yukioinoさんのエントリから引用する*1

雪泥狼爪 -水を飲むかどうかは知らないけれど。-
水飲み場に牛を引っ張っていくことはできても、無理に飲ませることはできない。有名なそのたとえ話をして「だから、あとは本人がやりたいかやりたくないかってことなんだけど、どうする?」と尋ねると、息子は苦笑した。

「いつも嫌々水場に行くんだけどさ、悔しいことに、ちょっとやるとちゃんと覚えるんだよね。やったほうがいいのもよくわかってるし」

道は長く、成果はすぐに出ない。でもいつか必ず実を結ぶだろう。


10月より、近所のボーイスカウト*2のリーダーを手伝っている。その中で難しいなぁ…と思うのは、子供たちだけでなく、リーダー間や父兄とのコミュニケーションの取り方。リーダー間は子供たちの育成のため…という大義名分があるので比較的容易なのだけど、父兄はちょっと違う。当然、自分の子供に対する意思が入ってくるので、ズレが生じると大変だなぁ…と思う。
もっと難しいのが子供とのコミュニケーション。子供たちに教えるのは容易なのだけど、子供たちに任せないと、なかなか覚えない。個々人によって感受性が違うので言葉を選ばなくてはならないし…。
また、子供たちは嘘をつくこともある。そのことを一方的に責めて正直に話させる事もできるのだけど、子供たちを信用し、信頼関係を結ぶためには、自分が嘘をつかないことを心がけなければいけないことを強く感じている。
上記引用の中で、yukioinoさんの羨ましいところは、yukioinoさんが子供を信用していて、子供も正直に話していること。基本的に正直に話しあわなければ、互いを信用することは出来ないのである。そういう信頼関係を、子供たちだけでなく、自分の職場で築くことが出来ればいいな…と思っているんだけど、なかなかに難しいな。やっぱり、個々の意思があるし、それを正直に言えない雰囲気や性格があるんだろうから…。
  
同種の内容をちょっと検索していたら、以下のエントリに出会ったので、一部引用する。

個人的なメモ -無題、雑思案録-
本気になってもらうためにはどうしたらいいのか?
近くに寄り添うことか?それとも自分の絶対的な力を見せつけて引っ張り上げることか?
早く成果をだしてもらうにはどうしたらいいのか?
同じレベルに合わせて自分まで堕落しては意味がない、<相反>本音を言わない人間は信用できない
最適解は遊び、シリアス両方?

自分も他人も無理に変える必要がそもそもあるのか?>あるようでない、ないようである
明るく、清く、正しく、強く・・・小学生でも解る言葉だが実践出来ている事は僅か

水飲み場に馬を連れて行くことは出来ても、水を飲ませることは出来ない
一度で子供(弟子)は変わらない、そんなことには期待しない

泥に牛が填って、もがいている牛飼いが居ました
牛飼いはあれこれ頑張りましたがなかなか抜けられません
それをずっとみていたお釈迦様が、牛のおしりをちょっと押してやると
牛はするりと泥から抜け出ました
(当然、お釈迦様なので存在は牛飼いに認知されません)
−あるべき教師像、牛飼い=子供 お釈迦様=教師

極限まで悩み抜いて悟った、というのは先人の格好付けでは?<相反>悩みもせずに悟りは得られない

  
このエントリは、前文に「メモ書きのまま公開」と書かれているように、思考過程をそのまま綴られているように感じる。最初は思考過程に興味を持ったのだけど、仮定に対する相反意見を示している点などは興味深い。
この中で、「本気を出してもらうには?」と思考している。この辺りを常々悩むのだが、自分自身の性格だと「絶対的な力を見せつけてもらった」方が、いつか泣かしてやろうと本気になれる。当然負けん気が強い人ばかりではないし、割り切って仕事をしている人は、「近く寄り添ってもらい」楽に覚えられれば良いだろう…。でも、それって本気なのかな?って常々疑問に感じてしまう。結局、仕事で成果を出す人たちは、仕事の中ではなく、外で努力・勉強している人たちなのだから。仕事の中で全てをこなせる凄い人たちが居て、その人たちの本を読めば、なんだか自分の趣味を充実させろ…みたいに思われるかもしれないけど、本気になったらそれが趣味なんだじゃないのかな?「仕事が趣味」って言えば聞こえが悪くなるかもしれないけど、「好きな事をやってるんだから、それが趣味なんじゃん…」と僕は思う。それを、寂しい人と捉えるのなら、それでも構わないんだけど、逆に言うと「本気になれることが無いんじゃん?」って思うんだけど違うかな?
愚痴っぽくなってる訳じゃなくて、捉え方も感じ方も人それぞれで、仕事を生活のため…と割り切ってやるには辛いご時世になってきている*3。自分がやりたい事に近い仕事を探しださないと、これからが大変だよって感じていて、どうせやるなら本気でやった方が楽しいんじゃないかな?ということ。そして、そのためには、コミュニケーションが重要な要素であり、正直に話し合わないと信頼関係なんて築けない。そして、その信頼関係は根っこに近い箇所にあるので、影響範囲が大きいんだから、どんなことでも正直に話していきたいなぁ…と考えている。
なんか、無理矢理こじつけたけど、全ての根幹は自分の意思にあって、その上に相互の信頼関係を築くことで、全ての事象が美しく回るのではないか?…そんな風に僕は考えている。

*1:初っ端から引用してすいません。趣旨を違えて受け取ってますが、とても素敵なエントリでした。何となく、僕の中で喉に刺さった小骨が取れた気分です。

*2:正確に言うと小学校2年生〜5年生で構成されるカブスカウトの副長

*3:特に30代は注意が必要。そういうの、チェックされてて、真っ先に切られるんじゃないかな…。雇用者を守れって言うのと、自分たちのために陰で努力して成果を出している人たちの生活を変えても良い…ってのは、ちょっと違うと僕は思う。