雨の思い出(その2)

新幹線に乗っている
熱海は霧の中だった
濃い霧雨・・・冷たい雨なのだろう
  
霧雨で思い出すのは、とても好きだった娘のこと
別れた日、別れる場所に向かっているときは霧雨だった
彼女と会い店に入り色々な話をした
  
話の内容はあまり覚えていない
でも、ハッタリで生きてる僕は、きっと精一杯強がったと思う
そこからの帰り道、雨は本降りに変わってた
少しでも長く一緒に居たかった僕は、もう少し歩きたいと言った
彼女は束の間の戸惑い顔を見せたが、笑顔で頷いてくれた
帰り道、彼女は靴がびしょ濡れになりながらも、嫌な顔せず隣に居た
雨はとても冷たかったように思う
  
哀しい思い出だが、彼女の優しさに甘えた気がして、今でも鮮明に覚えている
人の優しさに触れ、人の優しさに甘える
後になって卑劣だったと後悔する
甘えない強さを持ちたい