資産管理というもの

  
土木業界を主に企業の資産管理に着目していく。
やはり、このようなManagementに関する考え方はアメリカが進んでいる(特に製造業)。これらのソフトウェアも同じ。さすがに合理的な考え方が多い。
  
この資産管理分野では色々なキーワードが出てくる。

  • MRO(Maintenance, repair and operations)
    • 消耗品や補修部品など間接材調達物の総称。いわゆる、組織内で必要なサプライ品全般を指す。
  • CMMS(Computerized Maintenance Management System)
    • 設備の保全管理を総合的にコンピュータで管理するためのシステムを指す。一般的に、作業管理、設備管理、資材在庫管理、資材購買管理、リソース管理などの機能から構成されている。
  • EAM(Enterprise Asset Management)
    • 組織の物的資産の最適な管理を行い、資産寿命を最大にすることを目的とする。CMMSの管理項目に要員管理、サービス管理、契約管理などの機能を付加し、事業運営コストを縮減を目指している。

  
では、土木業界における資産管理は、どのようになっているだろうか?
基本的に道路・橋梁・上下水道などにおけるアセットマネジメントに取り組んでいる。いわゆる土木構造物を資産とみなし、資産価値を最大限にするために計画的に維持管理していきましょうというところ。国土交通省ではストックマネジメントとアセットマネジメントという言葉を使い分け、アセットマネジメントの定義は今のところ曖昧のままだ。
さて、この資産管理には、いくつかの問題点がある。

  • アセットマネジメントって、資産価値を最大限に活かすことが目的であるため、事業体の体制までを変えていく必要があるのでは?
    • 適切な維持管理だけでなく、要員管理、安全管理など含んだ統合的な事業運営を行っていく必要がある。そうなると組織体制までを含む必要があり、地方自治体であれば、各組織が独立して動けるようになる必要があるのではないだろうか。
  • アセットマネジメントを突き詰めていったとして、管理する事業体に負担がかかるだけなのではないか?
    • 最初にマネジメント手法を確立するだけでなく、データ分析と改善を継続的に行っていく必要がある。このためのコストが膨らんでしまうのではないか?
  • そもそも、土木構造物・機電設備の劣化予測なんて可能なのか?
    • 木構造物の非破壊検査や弾性波診断などが進んでいるが、機械設備や電気設備はどうなのだろう。機械設備は振動など定期的な計測を行っていれば傾向が見られるかもしれない。でも、電気設備は1か0だと思う。劣化予測するのは難しいと考える。

  
これらの問題点をクリアにしていくには情報を集めていくしかないのだが、情報を蓄積したとしても傾向が出るかどうかわからない。そのために現在作業をしている人たちの仕事を増やすのも難しい。ある程度の投資効果があり、さらに仕事を楽にしていかなければならない。これが一番大きな問題かもしれない。ロジックやシステムは机上で計算・検討すれば結果を出せるが、仕事は感情を持つ人がするものだからだ。この辺りを変えていくのは教育しかないので、地道な努力が必要なのだろう。